梅は日本の食卓に欠かせない身近な食べ物で、疲労回復や食欲増進など、さまざまな健康効果があることでも知られています。さらに梅には、妊活に役立つ成分が含まれていることが近年の研究で明らかになりました。梅のどのような成分が妊活をサポートしてくれるのか、効果的な食べ方とあわせてチェックしてみましょう。

梅に期待できる妊活への影響

梅に含まれるポリフェノールの1種「3,4-DHBA」には、卵子の老化を遅くする効果があるといわれています。これは、和歌山市の産婦人科医院と和歌山県立医科大の研究によって明らかになったもの。3,4-DHBAが卵子を包んでいる顆粒膜細胞の酸化を防ぐことで、卵子の質の低下を防いでくれるのです。そもそも卵子の老化は不妊の原因の1つですから、対策につながるなら嬉しいことですよね。

梅を取り入れるときの注意点

梅酢や梅干しを妊活のサポートに

上記の研究に使われたのは特殊な加工によって作られた梅酢で、通常の梅に不妊改善効果あると立証されたわけではありません。しかし3,4-DHBAはもともと梅に含まれている成分ですから、梅を取り入れることは妊活においてもプラスになるでしょう。
梅自体にも健康効果がありますから、夫婦で取り入れてもいいかもしれませんね。梅製品にはさまざまな種類がありますが、比較的取り入れやすく抗酸化力も高いといわれる梅酢や梅干しがおすすめです。

過剰摂取はNG

梅酢や梅干しには塩分が含まれているため、過剰摂取は禁物です。塩分をとり過ぎると体がむくみやすくなるだけでなく、高血圧などの生活習慣病を引き起こすリスクもあります。梅干しであれば、1日1粒程度が適切でしょう。一気にたくさん食べるのではなく、少量をコツコツ続けることがポイントです。

食品添加物が少ない製品を選ぶ

最近では減塩タイプの梅干しも販売されていますが、食品添加物が多く含まれているものもあるため注意が必要です。毎日食べるのであれば、できるだけ添加物が少なく、シンプルな材料のみで作られたものを選びましょう。

冷えが気になるときは加熱した梅干しを

体の冷えは妊娠の大敵ですから、できるだけ防ぎたいですよね。しかし女性は筋肉量が少ないため、男性よりも冷えやすいといわれています。そのような冷えの対策には、加熱した梅干しがおすすめです。梅干しに熱を加えると、血行を改善する「ムメフラール」という成分が生成され、体を効率よく温めてくれるのです。通常で食べるよりも冷え性に効果的なので、ぜひ試してみてくださいね。

梅干しの加熱方法

梅干しの加熱は、フライパンやオーブントースターで焼くだけでOKです。表面に焼き色がついたら、梅湯にしたり、お吸い物に入れたりしていただきましょう。もちろんご飯と一緒にそのまま食べても美味しいですよ。一度生成されたムメフラールは冷えても消えないので、お弁当に入れても良いでしょう。

梅

「梅は三毒(食毒・血毒・水毒)を断つ」といわれるほど、健康効果が高い食品です。体の健康を保つことは妊活に好影響を与えますから、毎日少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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