妊娠中の頭痛に悩まされている女性は少なくありません。そもそも、なぜ妊娠中に頭痛が起こりやすいのでしょうか? ここでは頭痛の原因をご紹介するとともに、頭痛を和らげるための対策方法をお伝えします。

妊娠中によく起こる頭痛の原因は?

妊娠中に起こる頭痛の原因には、どのようなものがあるのでしょうか? 特に多い原因は次の3つです。

ホルモンバランスの変化による頭痛

妊娠初期は、つわり症状の1つとして頭痛が起こりやすいといわれています。
この頭痛は、女性ホルモンの一種である「黄体ホルモン」が急増する際、自律神経のバランスが崩れることで発生します。 ホルモン変化型頭痛では、頭の片側にズキズキとした痛みが出たり、吐き気を伴ったりすることも。 ただし、安定期になれば自然と治まる方が多いです。

片頭痛

ホルモンバランスの変化で起きる頭痛と似ていて、頭の片側がズキズキと痛むのが片頭痛です。 20代から40代の女性によくみられる頭痛で、妊娠中に現れることも珍しくありません。 もともと片頭痛持ちの人は妊娠出産で軽減することもあれば、今までと変わらない頻度で起こることもあります。

緊張性頭痛

「緊張性頭痛」は、肩こりや運動不足、眼精疲労、ストレスなどで筋肉が緊張し、血流が悪くなることで起きる頭痛です。首から後頭部にかけて締め付けられるような痛みが特徴で、重たいお腹を支えるために姿勢が悪くなりがちな妊娠後期に起こりやすくなります。

病気が原因の頭痛には要注意!

頭痛とともに以下のような症状を伴う場合、何らかの病気である可能性が考えられます。

・頭痛が生じたときに血圧が高い、むくんでいる(妊娠高血圧症候群)
・耐えられないぐらい激しい頭痛(くも膜下出血、脳出血)
・半身にまひがでている、ろれつが回らない、歩けない(脳梗塞)

いつもの頭痛と様子が違うと感じたら、かかりつけ医、もしくは救急センターに相談しましょう。

妊娠中に頭痛が起きたときの対策方法

妊娠中に起こる頭痛の対処方法は、原因によって異なります。

ホルモンバランス変化による頭痛、片頭痛の場合

ホルモンバランスの変化や片頭痛などの「拡張性頭痛」の場合、頭痛が起きた場所を温めたり、揉んだりするのは逆に悪化させる恐れがあります。

・冷やしタオルなどで痛む場所を冷やす
・静かで明るすぎない場所で安静に過ごす

頭痛がつらいときは、これらの対処方法を試してみましょう。

緊張性頭痛の場合

緊張性頭痛の痛みを和らげるには、首から肩にかけての血流を良くするのがポイント。以下の対策方法を試してみましょう。

・蒸しタオルを肩や首に乗せる
・温かい飲み物や半身浴で体を温める
・肩甲骨周りのストレッチをする

ストレッチの方法は、手を肩に置いたら肘で円を描くようにして、大きく回すというもの。コリがほぐれて血流がアップしますよ。

頭痛に効くツボ

頭痛がつらいときは、「頭痛に効くツボ」を試してみましょう。
頭痛のツボとして有名なのが、手の甲にある「合谷」です。親指と人さし指の骨がぶつかるところのすぐ横にある窪みを、指などでゆっくり押しましょう。

つらい頭痛は我慢せず、かかりつけに相談を

妊娠頭痛

今回ご紹介した対策方法を試しても頭痛が治らない場合は、無理せずかかりつけ医に相談しましょう。 また、妊娠中は市販の頭痛薬も避けた方がいいですね。産婦人科では妊娠中でも飲める鎮痛薬を処方してくれます。薬で痛みを抑えつつ、ストレスを溜めない生活を心掛けることが大切ですよ。

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