妊娠中のほとんどの方が、足や手などのむくみに悩まされるといわれています。 「むくみを少しでも軽くしたいけれど、何をしていいか分からない……」と悩んでいる妊婦さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、妊娠中のむくみを引き起こす原因を、改善するための対処法とあわせてご紹介します。
妊娠中にむくみやすい原因とは
ホルモンバランスの変化
妊娠中のむくみには、ホルモンバランスが関係しています。
女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があり、
妊娠中には後者のプロゲステロンの分泌量が多くなります。
実はこのプロゲステロンには体に水分を保持する作用があるため、妊娠中はどうしてもむくみやすくなるのです。
病気が原因の可能性も
妊娠中のむくみは生理的に生じるものですから、心配する必要はありません。
しかし、まれに病気が原因で生じるむくみもあります。
たとえば妊娠高血圧症候群の場合、高血圧とともに、むくみ、頭痛、吐き気、視力の低下、急激な体重増加などをともなうことも。 もともと高血圧の方、むくみ以外の異常が見られる方は、医療機関を受診しましょう。
妊娠中のむくみ対処法
減塩を心がける
塩分の摂取量が多いと、体内のナトリウム濃度を薄めるために水分が蓄えられてしまいます。また、塩分の過剰摂取は妊娠高血圧症候群の原因にもなります。 妊娠中の塩分摂取量は1日あたり7~8gが目安とされていますから、味付けを工夫するなどして減塩を心がけましょう。
カリウムを摂取する
カリウムには、体内の塩分の排出を助ける働きがあります。バナナ、スイカ、アボカド、リンゴ、ほうれん草、イモ類、豆類などに多く含まれていますから、毎日の献立に取り入れましょう。 食欲がないときは、野菜ジュースやトマトジュースがおすすめです。
着圧ソックスを履く
脚のむくみ対策には、着圧ソックスが効果的です。圧力によって血液やリンパの流れをサポートし、脚のむくみを軽減してくれます。
ただし、圧力が強すぎるものだと、かえって血行不良を招いてしまいます。きつすぎるソックスは避けて、履き心地がいいもの、ゆるやかに効く妊婦さん用などを選びましょう。
入浴+マッサージ
入浴で血行を促進すると、余計な水分が体外に排出されやすくなります。熱いお湯に浸かると体に負担をかけてしまうので、ぬるめのお湯にゆっくり入ってくださいね。
さらに入浴中や入浴後にマッサージをすると、よりむくみの解消につながります。脚のむくみが気になるときは、足裏→ふくらはぎ→太もも→脚のつけ根に向かってマッサージしましょう。
適度な運動をする
運動不足が続くと筋肉が衰え、血液やリンパの流れが滞りやすくなります。激しい運動はNGですが、ウォーキングやマタニティヨガなど、無理なく続けられる運動を習慣にしてみましょう。

むくみ防止のために毎日の習慣を見直そう
今回は、妊娠中のむくみの原因や対処法をご紹介しました。
できることから取り入れて、むくみを防いでいきたいですね。
なお、以上のような対策を取り入れても強いむくみが続く場合は、病気が関係している可能性も考えられます。
油断せず、早めに医療機関を受診しましょう。