実年齢よりも血管年齢が高い状態、つまり「血管の老化」が進むと、将来の健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。しかし、血管は何歳からでもケア次第でしなやかさを取り戻すことができる組織です。今回は、一生モノの健康を手に入れるために、血管年齢を若返らせる食生活のコツをチェックしてみましょう。

 

あなたの血管は大丈夫? 「血管年齢」の実態

 

血管年齢とは、血管の「しなやかさ」と「詰まり具合」を、同年代の平均的な数値と比較して算出した指標です。私たちの血管は本来、ゴムホースのように柔軟で弾力がありますが、加齢や生活習慣の乱れによって少しずつ硬く、厚くなっていきます。これがいわゆる「動脈硬化」です。

血管が老化して硬くなると、血液を送り出す際に強い圧力が必要になり、さらに血管に負担がかかるという悪循環に陥ります。恐ろしいのは、血管の老化には自覚症状がほとんどないことです。気づかないうちに進行し、ある日突然、大きなトラブルを招くことから「サイレント・キラー」とも呼ばれています。

血管年齢は「現在の生活習慣の結果」を映し出す鏡でもあります。特に毎日の食事は、血管の状態を左右する最大の要因です。塩分の摂りすぎによる高血圧や、脂質のバランスの乱れによるコレステロール値の上昇を防ぐことが、血管の柔軟性を守る対策となります。まずは自分の血管の状態に関心を持ち、食卓から若返りを図りましょう。

 

血管老化をストップ! 今日から始める食生活のコツ

「だし」の旨味で美味しく減塩

塩分(ナトリウム)の摂りすぎは、血液中の水分を増やして血圧を上げ、血管の内壁にダメージを与えます。まずは、醤油やソースを「たっぷりかける」から「少量つける」に変えたり、漬物や干物を控えたりと、塩分を控える工夫を心がけましょう。物足りなさを感じる時は、かつお節や昆布の「だし」を濃いめにするのがコツです。だしの旨味成分が満足感を高め、自然と薄味に慣れることができます。

カリウムを摂って塩分を排出する

塩分は「減らす」だけでなく「体から出す」ことも大切です。野菜や果物、海藻類に多く含まれる「カリウム」には、体内の余分な塩分を尿と一緒に排出する働きがあります。毎食、小鉢一杯分の野菜料理をプラスしたり、おやつをバナナやキウイなどの果物に変えたりして、塩分の排出を促しましょう。

肉の脂身より「青魚の油」を選ぶ

脂質に関しては、量よりも「質」に注目しましょう。肉の脂身やバターに含まれる「飽和脂肪酸」は、摂りすぎると悪玉コレステロールを増やし、血管壁を厚くしてしまいます。代わりに取り入れたいのが、サバやイワシなどの青魚に含まれる「EPA」や「DHA」です。これらは「血液をサラサラにする油」とも呼ばれ、血管の炎症を抑え、しなやかさを保つ強力なサポーターになります。

オリーブオイルを活用する

調理に使う油も意識してみましょう。地中海料理で多用されるオリーブオイルに含まれる「オレイン酸」は、善玉コレステロールを維持しながら悪玉を減らす働きがあります。また、抗酸化作用のあるビタミンEも豊富で、血管の酸化を防いでくれます。サラダや冷奴にひと回しするなど、生のまま摂取するのもおすすめです。

食物繊維で糖と脂の吸収を緩やかに

海藻、きのこ、納豆などに含まれる食物繊維は、食事に含まれる余分な糖分や脂質の吸収を穏やかにし、血管に急激なストレスがかかるのを防ぎます。食事の最初に野菜や海藻から食べる「ベジファースト」を習慣にして、血管への負担を減らしましょう。

毎日の食事が今後の血管年齢に差をつける

 

血管年齢を若く保つ秘訣は、決して特別な制限食を続けることではありません。正しい栄養を届け、負担を減らしてあげれば、何歳からでもそのしなやかさを維持してくれます。10年後、20年後も、健やかな体で趣味や旅行を楽しむために、今日から血管をいたわる美味しい食生活を始めてみませんか?

コラム一覧へ