「最近、人の名前がパっと思い出せない」「以前より足元がふらつくようになった」……。そんな心当たりのある方に、知っていただきたいトレーニングがあります。それは、特別な道具を一切使わず、自宅にいながら脳と体の若返りを目指せる「コグニサイズ」です。将来への不安を軽くしながら毎日をアクティブに過ごすために、コグニサイズの実践方法をチェックしてみましょう。
認知症予防にも! 注目の「コグニサイズ」とは
コグニサイズとは、国立長寿医療研究センターが開発したトレーニング法で、「コグニション(認知)」と「エクササイズ(運動)」を組み合わせた造語です。最大の特徴は、単なる運動ではなく“頭を使いながら体を動かす”点にあります。
例えば、歩きながら計算をしたり、リズムに合わせて違う動作をしたりと、脳に負荷をかけることで注意力や判断力、記憶力の維持・向上が期待できます。通常の運動だけでも健康効果はありますが、そこに認知課題を加えることで、脳の前頭葉を中心に広い範囲が活性化されるのです。
認知課題は難しすぎず「少し考えればできる」レベルのため、楽しみながら続けられるのもポイント。継続すると認知機能低下の予防や、生活の質の向上にもつながるとされています。
今日からできるコグニサイズの実践メニュー3つ
①足踏み+3の倍数で拍手
最も手軽なメニューです。その場で元気よく足踏みをしながら、1から順番に数字を声に出して数えていきます。
【やり方】
足踏みをしながら「1、2、3……」と数える。
3の倍数(3、6、9、12……)の時だけ、足踏みを止めずに手を叩く。
【効果・コツ】
リズム運動によるセロトニンの活性化に加え、「数字を判断する」という前頭葉の機能を刺激します。慣れてきたら「3の倍数と5の倍数」などルールを複雑にすると、さらに脳への負荷が高まります。
②ステップ+しりとり
左右へのステップ運動に、記憶を呼び起こす「しりとり」を組み合わせます。一人でもペアでも楽しくできるプログラムなので、楽しみながら実践しましょう。
【やり方】
横に一歩踏み出し、もう一方の足を近づけて両足を揃える。
左右にステップを繰り返しながら、一人(またはペア)でしりとりをする。
【効果・コツ】
ステップでバランス能力を養いつつ、しりとりによって「語彙(ごい)の想起」という言語機能を鍛えます。初めてで同時にやるのが難しい場合は、まずステップだけをおこない、慣れたらしりとりを組み合わせましょう。
③スクワット+引き算
下半身の大きな筋肉を使いながら、計算能力を鍛える強度高めのメニューです。①と②を問題なく実践できるなら、こちらにも挑戦してみましょう。
【やり方】
椅子に座るような動作でスクワットをおこなう。
腰を落とすタイミングで「100から7を順に引いていく」計算をして、答えを声に出す(100、93、86、79……)。
【効果・コツ】
スクワットは基礎代謝を上げ、自立した生活に不可欠な太ももの筋肉を鍛えます。そして同時に複雑な計算をすることで、集中力とワーキングメモリをしっかり活性化させます。スクワットは安全な場所で、ゆっくりおこないましょう。

コグニサイズを楽しみながら継続しよう
コグニサイズは間違えてもOK。「今、脳がフル回転している!」と笑いながら楽しむことが、継続の秘訣です。まずは1日10分、テレビのCM中や家事の合間に取り入れて、「冴えた脳」と「動ける体」を手に入れましょう。