細胞の酸化は、老化や生活習慣病の原因になることで知られていますが、実は妊活にも悪影響を与える恐れがあります。そもそも酸化はどのようなメカニズムで発生するのか、今すぐ始めたい対策方法とあわせて探ってみましょう。
酸化とは?
酸化とは、物質と酸素が結びついて性質が変化する化学反応のこと。私たちの体内では、酸素を取り込んで代謝する際に産生される活性酸素によって、細胞の酸化が引き起こされるといわれています。
そもそも活性酸素は細胞同士の伝達や免疫機能にも関わっていて、生命維持に欠かせないものなのですが、過剰に発生すると細胞を傷つけ、ダメージを与えてしまいます。このような酸化は、肌や血管の老化や、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病の原因になります。
酸化が妊活に与える影響
過剰に発生した活性酸素は、卵子や精子にも影響を与えるといわれています。酸化によって卵子の質が低下すると受精障害や成熟障害などの原因に、精子が酸化ストレスを受けると運動率の低下やDNA損傷などの原因になる恐れがあります。妊活をスムーズに進めるためには、酸化対策も必要不可欠といえるでしょう。
妊活中に取り入れたい酸化対策
抗酸化物質を積極的に摂る
抗酸化物質には、活性酸素の働きを抑えたり、消去したりする作用があります。代表的な抗酸化物質は、ビタミンA、C、E、コエンザイムQ10、アントシアニンやイソフラボンなどのポリフェノール、βカロテンなどのカロテノイドなどです。食事から摂りにくい場合は、サプリメントを利用するのも効果的です。
【代表的な抗酸化物質・それぞれが多く含まれる食べ物】
ビタミンA
豚レバー、鶏レバー、卵、うなぎ、にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど
ビタミンC
ブロッコリー、パプリカ、芽キャベツ、イモ類、キウイ、柑橘類、アセロラなど
ビタミンE
アボカド、アーモンド、卵、うなぎ、かぼちゃ、モロヘイヤ、大豆など
コエンザイムQ10
いわし、さば、牛肉、豚肉、大豆、ピーナッツなど
ポリフェノール
赤ワイン(アントシアニン)、大豆(イソフラボン)、緑茶(カテキン)、ごま(セサミン)など
カロテノイド
にんじん、ほうれん草、小松菜、パプリカ、柿など
ストレスを避ける
強いストレスは、活性酸素を大量に産生させる原因になります。ストレスを受けると一時的に血液の流れが悪くなるのですが、その流れが改善するときに過剰な活性酸素が発生するのです。これをくり返すと酸化が進んでしまいますから、できるだけストレスを溜めない生活を心がけましょう。ウォーキングなどの有酸素運動には自律神経を整えたり、血行を促進したりする作用があるため、ストレスと酸化の対策に効果的です。
禁煙をする
タバコの煙には、活性酸素を産生させる物質が多く含まれています。また、タバコに含まれるニコチンは女性ホルモンの分泌を低下させる原因になるため、不妊のリスクを高めてしまいます。妊活をスムーズに進めたいなら、パートナーとともに禁煙しましょう。

未来のためにも妊活中から酸化対策を始めよう
今回は、酸化が妊活に与える影響や対策方法をお伝えしました。今回ご紹介したようなセルフケアは、美肌や健康の維持にもつながります。妊活のことだけでなく、産後や育児などの未来を見据えて、今から酸化対策を始めていきましょう。