妊娠を考えたときから、妊娠中、産後までずっととり続けたい「葉酸サプリ」。いろいろあるなかで、どんなものを選べばいいのか迷ってしまいます。そこで、妊娠中のママたちが専門家に直撃! 葉酸を選ぶときのポイントを聞きました。

教えて!「葉酸サプリ」の違いと選び方

QA1

●質問
たまひよメイトの皆さん

●お答え
株式会社日本予防医学研究所
健康食品研究開発部 部長 菊池さん
2002年、日本予防医学研究所入所。以来、健康食品の研究開発に従事。主に製剤研究に注力し、原料開発・機能性研究・商品企画まで、健康食品の開発全般を担当。

葉酸には、一般的に天然葉酸と呼ばれ、食品に含まれる「ポリグルタミン酸型」葉酸と、食物由来で合成された「モノグルタミン酸型」葉酸とがあります。日本をはじめ諸外国で、葉酸の摂取がおなかの赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを軽減するデータが報告されていますが、これは「モノグルタミン酸型」葉酸を摂取したことによるものがほとんどです。

食品に含まれる「ポリグルタミン酸型」葉酸は水に溶けやすく、加熱によって働きが失われる特徴があり、体に吸収され利用される割合(生体利用率)にもばらつきがあります。一方で「モノグルタミン酸型」葉酸は摂取した量の約85%が効率よく吸収、利用されるといわれています。

葉酸サプリの違いのひとつに、この「葉酸の種類」があります。

そして、葉酸はそれだけをとればよいというものでもありません。ビタミンB6やビタミンB12などを同時に摂取することで十分な効果が発揮でき、効率よく利用することができます。「葉酸のほかにどんな栄養成分が配合されているか」も、メーカーによって違います。

QA2

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、「妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の妊婦は、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸(つまり、サプリメント)を400㎍/日摂取することが望まれる」とされています。1日に400㎍とれる葉酸サプリメントを選ぶとよいでしょう。
※葉酸は多くとればいいというものではなく、成人では1日900~1000㎍が上限として設定されています。

また、妊娠中はおなかの赤ちゃんのために、それまでより多くの栄養が必要となります。とくに不足しがちで、積極的に摂取したいのが鉄やカルシウム、マグネシウムや亜鉛などのミネラル類です。たとえば、鉄15mg、カルシウム200mgなどの栄養素が過不足なく、必要な量を摂取できるようにバランスよく配合された葉酸サプリメントがおすすめ。ビタミンB1、B2、C、D、ナイアシンなどのビタミン類も含まれているとうれしいですね。

「日本人の食事摂取基準」は定期的に見直されているため、最新の基準に対応しているかどうかもサプリメントを選ぶポイントになります。

QA3

つわりの時期は飲み込むのがつらかったり、においに敏感になったりするもの。少しでもとりやすいサプリメントがいいですね。

まず、できるだけ粒が小さくて丸みのある形状のものがいいでしょう。粒にカーブがあると喉のとおりもよくなります。そして、粒全体がコーティングされているとにおいが少なくなります。粒だけでなく、原材料レベルからコーティングされたものがおすすめです。

品質の安全性、ニーズに応えた工夫、コスパのよさも大切!

葉酸サプリを選ぶときの着目点として、原料の安全性はどうかも重要なポイントです。メーカーのホームページを確認し、原材料の産地、最終加工国、品質試験の成績などが明記されているメーカーのものを選びましょう。

妊婦さんへの安全性が確認されていない不要な成分が含まれていないことも大切です。

また、愛用者の声に応えて工夫、改良されている商品はとり続けやすいでしょう。長期間とり続けるものですから、コスパのよさも見逃せないですね。

品質と安全性が高く、信頼できる葉酸サプリを選んで、母子ともに健やかに過ごしましょう。

記事提供/たまひよ

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