「普段はスムーズなのに、生理前はなぜか便秘になってしまう……」と悩んでいる女性は多いもの。実はその便秘には、月経周期にともなうホルモンバランスの変化が関係しているってご存じでしたか? 今回は、生理前に便秘がちになる理由を、取り入れやすい対策方法とあわせてご紹介します。

 

生理前、便秘になりやすい理由とは?

黄体ホルモンの影響

生理前の便秘には、女性ホルモンの1つである黄体ホルモンが関係しています。黄体ホルモンは女性の体を妊娠に適した状態に整えるホルモンで、排卵後から生理前にかけて多く分泌されます。しかし、黄体ホルモンは腸のぜん動運動を鈍らせる働きも持っているため、生理前の便秘を招きやすいのです。生理前に生じがちなむくみやイライラ、食欲の増加なども、黄体ホルモンが原因の1つだといわれています。

 

生理前の便秘を防ぐには?

水分を少しずつこまめに飲む

生理前はむくみやすいため、水分の摂取量を減らしてしまう方も多いかもしれませんね。しかし、腸内の水分が不足すると便がカチカチに硬くなり、排出されにくくなってしまいます。そもそも水分の摂取量を減らしてもむくみが改善されるわけではなく、かえって血流が滞って悪化する原因になります。便秘とむくみ、両方を防ぐために水分はしっかり摂りましょう。

成人に必要な水分量は1日あたり約2.5Lです。このうちの1.3L程度は食事から補えるといわれていますから、残りの1.2Lを飲料水で補給しましょう。冷たい水よりも体を冷やしにくい白湯や常温の水が効果的です。一度にたくさん飲むと胃腸に負担をかけてしまうので、1回につきコップ1杯(200ml)程度を、時間を空けてこまめに飲むことをおすすめします。

マッサージで腸の動きを助ける

お腹をマッサージすると、腸の動きが助けられて便秘解消につながります。ポイントは、腸の形に沿ってマッサージすること。おへその奥には小腸があり、その周りを大きく囲うように大腸があるので、以下のような流れでおこないましょう。起床後や就寝前などにリラックスしながらマッサージすると効果的です。

  1. 仰向けに寝る
  2. おへその周りを指先でやさしくほぐす
  3. 下腹部→右下腹部→右脇腹→みぞおち→左脇腹→左下腹部と、時計回りに指先でやさしくほぐす
  4. 2~3を3セットほどくり返す
  5. ※硬くなっている部分は便が溜まっている可能性があるので、念入りにほぐしましょう。あくまでもやさしく、痛みを感じない程度におこなうことがポイントです。

水溶性食物繊維や乳酸菌を積極的に摂る

水溶性食物繊維は水分を保持してくれるため、腸内の便にうるおいを与える効果があります。昆布、わかめ、ひじき、オーツ麦、大麦、こんにゃく芋、里芋、ゴボウ、キャベツ、りんご、キウイなどに含まれているので、積極的に取り入れましょう。

また、腸内環境を整えてくれる乳酸菌の摂取もおすすめです。乳酸菌は、ヨーグルト、チーズ、キムチ、味噌、納豆、ぬか漬けなどに含まれています。効率よく摂りたい方は、乳酸菌配合のサプリメントを利用するのもいいでしょう。

 

生理前の便秘対策で憂鬱さを解消しよう

 

今回は、生理前に便秘になるメカニズムと対策方法をお伝えしました。生理前はただでさえ気持ちが落ち込みがちになり、憂鬱なもの。せめてお腹は軽く保つために、ご紹介したような対策方法を取り入れてみてくださいね。

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