赤ちゃんをお迎えしようと決めたときからスタートする「妊活」。生活習慣の見直しにからだづくり、専門クリニックの受診など、どこまでやるのかはカップルの考え方次第。当然、経済的な問題も大きくかかわるわけで…。何かとお金がかかる妊活。「妊活たまごクラブ」のアンケート調査(2020年4月3日~4月5日実施のインターネット調査「妊娠・出産・育児に関するアンケート」)と先輩ママの声から、何にいくらかかるのか、調べてみました。

もっとも多かったのは「10万円未満」。でも、個人差が大きくて…

費用

妊活で使った費用、約10人に1人は「100万円以上」

「赤ちゃんが欲しい」カップルを応援する「妊活たまごクラブ」の、妊活にお金をかけた143人のアンケート調査結果によると、妊活で使った費用は「1~10万円未満」という回答がもっとも多い結果となりました。しかし、約1割の人が「100万円以上」と答えていて、「200万円以上」かけた人も4人いました。妊活とひと口で言っても、かかったお金は個人差が大きいようです。さらに妊娠がわかったあともお金はかかるわけで、その喜びには変えられないとはいえ、金銭的負担は決して小さくないようです。

妊活S

「最終的には医療機関にお世話になるかたちで妊娠しましたが、妊活にいいと言われるものはすべて試しました」というSさん。

200万円を超える負担の大半が病院代で、第一子のときには180万円(薬代込み)、第二子のときには40万円かかったそう。その他、サプリメントなどで赤ちゃんをお迎えするからだづくりを続けたと言います。

「日ごろから、バランスのとれた食事をと思っていたけれど、仕事がとても忙しく、あまり実践できず不規則な生活でした。妊活をはじめるにあたっての血液検査では、亜鉛、ビタミンの数値が低かったのでサプリで補い、ほかに、DHEAというお薬も処方してもらいました。妊娠がわかってからは葉酸もとりはじめました」

また、第一子のときは鍼(はり)治療にも通っていて、こちらが全部で5万円くらいかかったそう。 「あと、病院までの交通費、往復800円が地味にかかるんですよね。若干ですが、パパの通院費も。病院の待ち時間が長くてカフェでお茶してしまったり。そんなムダづかいもありました(笑)」

妊活に多額のお金がかかったので、赤ちゃんグッズなどの出産準備はほとんどもらいもので済ませたというSさん。今は2人のお子さんとにぎやかに暮らしています。

妊活Mii

タイミング法で赤ちゃんを授かったMiiさん。病院にかかった費用は、今回お話を伺った4人の中ではもっとも抑えられていました。

「病院代はトータルで約6万円くらいだったと思います。あと、約3500円の排卵検査薬を4回使ったので約1万4000円。妊活をはじめてすぐに風疹の抗体検査をして注射をしたので、その費用が5000円くらいかな」

妊活中も仕事は忙しく、昼食は外食がほとんどだったそうですが、とにかく、からだを冷やさないことに気をつかったそう。

「なるべく温かいおうどんにしたり、コンビニごはんになるときはカップスープやおみそ汁をつけるようにしていました。あと、妊活期間中はホットヨガにも通っていました」

ホットヨガの月謝は1万2000円。1回5000円の鍼治療にも4回ほど通ったそうで、こちらはトータルで2万円。Miiさんの妊活期間は1年間だったそうですが、もし、長引いていたら、当然、上乗せされていたわけで。妊活期間の長さも、かかるお金には関係するのかもしれません。

妊活 ssmama

現在、3歳と11カ月の男の子の子育てに奔走中のss mamaさん。長男を授かるまでの妊活期間は、1年半ほどだったそう。

「まずは自分なりにがんばろうと思って。魚や肉など偏りなく食べるようにして、飲み物はルイボスティーに変えたりしました。葉酸サプリもとりましたし、入浴はシャワーでなく湯船につかるようにもしていましたね」

それでもなかなか妊娠に結びつかず、病院を受診。

「もともと生理不順だったのですが、病院で調べると排卵があまりないことがわかったんです。そこで、ホルモンを整える注射や排卵させる注射をし、お薬も飲むようになりました」

週1回のペースで病院に通い、病院代はトータルで20万円くらい。その他サプリメント代約3600円のほか、ルイボスティーなどにも5000円くらいかかったそう。

「妊活中は何度も落ち込んだり、あきらめそうになりました。長男の妊娠がわかったときは、腰が抜けるほどうれしかったです!」

妊活凹凸

「2人目は奇跡の自然妊娠で(笑)、お金はかかりませんでした。でも、第一子を授かるまでは、できることはすべて試しました」
そう話す凸凹さん。その妊活費用の内訳はというと、人工授精1回で15万円。その後、顕微授精にステップアップして、採卵を4回、移植を2回行って230万円。そのほか、サプリメント代が3万円。多くが治療費ではあるのですが、こまごまいろいろかかっているよう。
「食事にもかなり気をつかいました。妊活食材ともいわれているアボカドや山いもはよく食べましたし、着床(ちゃくしょう)の時期はパイナップルやアーモンド飲料がいいと聞いて意識的にとったりして。『少しでもからだにいいものを』と食べていたので、食費はそれまでの1.5倍くらいになりました」
加えて、妊活に関する本を読み、移植周期には「妊娠しやすくなる体操」を毎朝の日課に。腹巻きやよもぎ蒸しパッド、布ナプキンでの温活に、子宝を授かるジンクスといわれるベビーシューズも購入。これらは全部で3万円ほど。 「あ、あと神社で購入した子授けのお守り代も妊活費用に入っています(笑)」

お金を賢く使って赤ちゃんを迎えよう!

先輩ママたちの話を聞くと、金額を大きく左右するのは人工授精や体外受精をするかどうかのようです。しかし、全員が共通して行っていたのが、妊娠しやすいからだづくり。食事に気をつかい、サプリメントを摂取したり、鍼治療やホットヨガに通ったり。1回あたりの額は大きくなくても、続けることで結果として少なくない負担になります。

また、妊娠したあとや出産後も何かと物入り。「妊娠するまでにたくさんの費用がかかったので、妊娠中は自分のことにはなるべくお金をかけないようにしました」と言う人もいました。できるだけ節約はしたい。でも、からだのためにいいことをしたい、口に入れるものは品質も気になる…となると、大切なのはコスパなのかもしれません。お金を賢く使って赤ちゃんを迎えましょう!

記事提供/たまひよ

コラム一覧へ