「妊娠中期を過ぎたのに、まだつわりのような症状がある」「妊娠中、胸焼けや胃もたれが続く」といった悩みを抱えていませんか? もしかしたらその症状は、逆流性食道炎かもしれません。意外と知られていない妊娠と逆流性食道炎の関係を、対策方法と一緒に見ていきましょう。
そもそも逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは、胃酸や消化途中の食べ物が食道に逆流して炎症を引き起こす病気のこと。逆流が続くと食道の粘膜の炎症も悪化し、胸焼けや胃もたれなど、さまざまな症状へとつながってしまいます。
妊娠中に逆流性食道炎が起きやすい理由
妊娠中に逆流性食道炎が起こりやすいのは、大きくなった子宮に胃が圧迫されるためです。また、妊娠中に多く分泌される黄体ホルモンは、胃の消化機能を低下させます。このことも、逆流性食道炎の一因になります。
妊娠中に起きる逆流性食道炎の症状は?
症状は胸焼け、胃もたれ、むかつき、呑酸(どんさん)、げっぷ、胃痛など、つわりに似ていると感じる方も多いようです。ただし、つわりは妊娠初期に現れるのに対して、逆流性食道炎はお腹が大きくなる妊娠中期以降に現れるのが特徴です。妊娠14週以降になっても胃の不調が続く場合は、逆流性食道炎の疑いがあるでしょう。
妊娠中にできる逆流性食道炎の対策方法
食事を1日4~5回に分ける
一度にたくさん食べると腹圧が上がり、胃酸の逆流を招いてしまいます。1回に食べる量は少なくして、胃に負担をかけないようにしましょう。たとえば1日3回食事を、1日4~5回に分けて食べると効果的です。満腹を防ぎながら、必要な栄養はしっかり補えますよ。
食べた後すぐに横にならない
食べた後にすぐ横になることも、胃酸の逆流を引き起こします。食後2~3時間以内はクッションなどを背もたれにして、上半身を起こした状態を保ちましょう。お腹を圧迫するのもよくありませんから、前かがみの姿勢も避けてくださいね。
胃酸が多く出る食べ物を控える
糖質や脂質が多い食事、味の濃い食事、酸味や辛味の強い食事などは胃酸の分泌を増やしてしまいます。栄養バランスを考えるとともに、胃に負担をかけにくい食事をしましょう。
胸焼けが起きたら水を飲む
胸焼けが起きたら水を飲んで胃酸を流しましょう。食道が洗い流されて症状が和らぎます。ただし、不快な症状が頻繁に起きる場合は他の病気も疑われます。くれぐれも放置せず、かかりつけの医師に相談しましょう。

胃酸の逆流対策で不快な症状を防ごう
今回は、妊娠中に多い逆流性食道炎の症状と対策をご紹介しました。今まで逆流性食道炎になったことがない方だと、つわりだと勘違いしてしまいがちです。食事の仕方、食後の姿勢などに気をつけて、不快な症状を少しでも軽くしていきたいですね。