静脈瘤とは静脈が太くなり、こぶ状に浮き出て見える症状のこと。妊娠中は下半身に静脈瘤が生じやすく、悩んでいる妊婦さんも少なくありません。なぜ妊娠中は静脈瘤ができやすいのか、対策方法とあわせて見ていきましょう。

 

妊娠中に静脈瘤ができやすい理由とは

子宮が大きくなる影響

胎児が成長して子宮が大きくなると、骨盤内の静脈が圧迫されて足の静脈の流れが悪くなります。血液が足にうっ滞することで、血管がぼこぼこと浮き出てしまうのです。

女性ホルモンの影響

妊娠中に多く分泌される女性ホルモンには、血管壁をゆるませる働きがあります。その影響で血管が拡張しやすくなり、静脈瘤につながってしまいます。

 

妊娠中に取り入れたい静脈瘤の対策方法

弾性ストッキングを着用する

弾性ストッキングによって圧力をかけると、足に血が溜まるのを予防できます。同時に全身の血液循環を良くするので、妊娠中にとても効果的です。 ただし、弾性ストッキングは体型に合ったものを選ぶ必要があります。市販もされていますが、できれば医師に相談し医療用を使いましょう。

寝るときは足を高く上げる

寝るときや横になって休むときは、足を心臓より高くすると静脈瘤の予防になります。足の下に枕やクッションを置き、心臓より10~15cmほど高くなるようにしましょう。足にフィットするようにつくられた足枕を使うのもおすすめです。

長時間の立ち仕事は控える

長時間の立ち仕事は足のうっ滞を招くため、静脈瘤を悪化させる要因になります。そもそも妊娠中の立ち仕事は体への負担が大きく、長くなるほど流産や早産の危険性も高くなりますから、できるだけお休みしましょう。休めない場合は時間を短縮し、こまめに休憩を入れることが重要です。

適正体重を維持する

体重が増えすぎると、脂肪によって血管が圧迫され静脈瘤悪化の原因になります。太りすぎないようにバランスのいい食事と適度な運動を心がけましょう。ウォーキングは肥満予防に効果的なうえに、足の筋ポンプ作用が働くため静脈瘤の改善につながります。

 

適切な対策で妊娠中の静脈瘤悪化を防ごう

 

今回は、妊娠中に起きる静脈瘤の原因と対策方法をご紹介しました。静脈瘤が発生すると見た目に変化があるため不安になりがちですが、産後改善していくのでそれほど心配する必要はありません。足に負担をかけない習慣を取り入れて、静脈瘤の悪化を防ぎたいですね。

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