妊娠中は一貫して腰痛が起こりやすいといわれていますが、実は前期と後期では腰痛を引き起こす原因が異なります。今回は、妊娠後期に起きる腰痛にスポットを当てて、原因や自宅でできる予防法をチェックしましょう。

妊娠後期に起きる腰痛の原因は?

ホルモンの作用

妊娠中は、リラキシンという女性ホルモンが多く分泌されます。リラキシンには出産に備えて骨盤周りの靭帯や関節を緩める作用があるため、お腹を支える力が弱くなります。その結果、腰に余計な負担がかかり、痛めてしまうのです。※リラキシンは妊娠3ヶ月から産後まで分泌されるため、妊娠初期や中期の腰痛の原因にもなります。

体型や姿勢の変化

妊娠後期の腰痛に大きく関係しているのが、体型や姿勢の変化です。赤ちゃんが成長してお腹が大きくなると体の重心が前に移り、反り腰になる傾向があります。その影響で背中や腰に負荷がかかり、腰痛を招きやすくなるのです。

下半身の血行不良

妊娠後期になって子宮が大きくなると、その重みがお腹周りの血管を圧迫して下半身の血流が悪くなります。血行が悪くなると筋肉が硬くなって疲労物質が蓄積し、腰が痛む原因になってしまいます。

妊娠後期の腰痛を予防する方法

腰痛対策グッズを活用する

お腹が大きくなってからの腰痛対策には、マタニティベルトやマタニティガードルなど、骨盤を支えてくれるグッズが効果的です。腰回りをベルトやガードルでしっかり安定させることで、腰痛を和らげる効果が期待できます。
ただし、グッズは正しく使う必要があります。事前に医師や助産師に相談し、正しい着用方法を把握したうえで取り入れましょう。

日頃から姿勢に注意する

妊娠後期の腰痛には姿勢が大きく影響していますから、普段から姿勢に気をつけることが大切です。とくに立つときや歩くときは反り腰になりすぎないように、お腹と背中をできるだけまっすぐに保ちましょう。急に体勢が変わると腰に負担がかかりやすいので、ゆっくり動くこともポイントです。

下半身のストレッチをする

股関節や腰回りの筋肉をストレッチでほぐすと、血行が促されて腰痛の予防につながります。深呼吸をしながらゆっくりおこなうと効果的です。

  1. マットの上に両脚を広げて座る
  2. 息を吐きながら上半身をゆっくり前に倒す
    • 股関節、膝裏、お尻の筋肉を気持ちよく伸ばします。
    • お腹を圧迫しないように、無理のない範囲でおこないましょう。
  3. 息を吸いながら上半身を元に戻す
  4. 息を吐きながら腰を右にゆっくりひねる
  5. 息を吸いながら上半身を元に戻し、反対側にも同様にひねる
  6. 以上を1日1~3セットおこなう

正しい対処で妊娠中の腰痛ストレスを減らそう

妊娠後期の腰痛が悪化すると、産後まで症状が長引いてしまうことがあります。できるだけ妊娠中に対策を取り入れ、出産や育児に備えていきたいですね。

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