妊娠すると体にさまざまな変化が現れ、今まで経験したことのない症状に悩まされるもの。妊娠中に起きる「めまい」も、その1つです。なぜ妊娠中はめまいが生じやすいのか、赤ちゃんを守るための対処法とあわせて見ていきましょう。

妊娠中に起きるめまいの原因とは

ホルモンバランスの変化

妊娠中は体内のホルモンバランスが大きく変化します。これは赤ちゃんが成長するために必要なことですが、急激に変化するので体温などをコントロールする自律神経が乱れてしまいます。その乱れにともなって体調が不安定になり、めまい、ほてり、のぼせなど、妊娠前には見られなかった症状が現れやすくなるのです。

立ちくらみ

立ち上がったときにめまいを感じる場合は、「起立性低血圧」の可能性があります。急な体勢の変化によって血圧が低下し、軽い意識障害が起きるのです。妊娠中は血圧が変わりやすいため、起立性低血圧になる可能性も高くなります

脱水

妊娠中は体内の血液量が増えるため、多くの水分を必要とします。にもかかわらず妊娠前と同じ量の水分しか摂っていないと、脱水が起こり、めまいや頭痛などを招きやすくなります。また、つわりによる脱水も、めまいの原因になるため注意が必要です。

貧血

妊娠によって血液量が増えると、より多くの鉄分も必要になります。鉄分が十分に摂れていない場合は、鉄欠乏症貧血によるめまいが起きやすいでしょう。鉄欠乏症貧血は疲れやだるさをともなったり、顔色が悪くなったりするのが特徴です。

妊娠中にめまいが生じたときの対処法

まずは安静にする

めまいが起きたとき無理に立っていると転倒し、頭や体を強く打つ恐れがあります。すぐに座ったり横になったりと、安静にすることが大切です。異常を感じなくなっても体を起こすときはゆっくりと慎重に動いてくださいね。

水分や鉄分を補給する

妊娠中は1日あたり約1.5~2リットルの水分、約16.0mgの鉄分が必要といわれています。めまいが生じやすいときは水分や鉄分が不足している可能性がありますから、水分補給方法や食事内容を見直してみましょう。鉄分不足の場合はサプリを活用するのも一つの方法です。

医師に相談する

何度もめまいに悩まされるときは、思いがけない病気が隠れている恐れがあります。めまいがよく起きるならそのままにせず、できるだけ早くかかりつけの医師に相談しましょう。

妊娠中のめまいは甘く見ないことが大切

妊娠中の体は妊娠前と大きく異なり、ちょっとした動作のつもりでもめまいや立ちくらみが起きることがあります。めまいによって転倒すると、赤ちゃんにも危険が及んでしまうもの。普段から慎重に動く、水分や鉄分を補給するなど、めまいをできるだけ防ぐ習慣も取り入れていきたいですね。

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