おしりトラブルの「痔」、実は妊娠中にもなりやすいといわれています。今まで患ったことのない人でも、妊娠中に突然発症することがあるのです。なぜ妊婦さんは痔になりやすいのか、妊娠中でも実践しやすい対策方法と一緒に見ていきましょう。

妊娠中、痔になりやすい理由とは?

黄体ホルモンによる便秘の影響

妊娠中には、女性ホルモンの1つである黄体ホルモンが多く分泌されます。黄体ホルモンには腸の動きを鈍くする作用があるため、妊娠中は便秘がちに。すると、硬い便に肛門を刺激されたり、排便の際にいきむことが増えたりして、痔になりやすくなるのです。

肛門周辺の血行不良

妊娠中の痔には、血行不良も深く関係しています。胎児の成長にともなって大きくなった子宮が、腸やおしりを圧迫。肛門周辺がうっ血することで痔になりやすくなります。

妊娠中でもできる痔の対策方法

水分と食物繊維をしっかり補給する

痔を防ぐためには、便秘にならないことが大切です。水分が不足すると便が硬くなりやすいので、普段から十分な水分補給を心がけましょう。大量の水分を一気に飲むと体に負担をかけてしまいますから、コップ1杯の水分を1~2時間おきにこまめに飲むことがポイントです。

さらに、腸の動きを助ける食物繊維の摂取も心がけたいもの。水溶性食物繊維が含まれる海藻類、きのこ類、大豆製品、りんご、プルーンなどをバランスよく食事やおやつに取り入れましょう。

毎日湯船につかって入浴する

体が冷えると肛門周辺の血行も悪くなり、痔になりやすくなります。つわりが辛いときや体調不良時以外はできるだけ毎日湯船につかって、血のめぐりを良くしましょう。

熱いお湯で長く入浴するとかえって体を緊張させてしまいますから、38℃程度のお湯に10分ほどの入浴がおすすめです。洗浄によっておしりを清潔に保つことも、痔の予防につながります。

適度な運動をする

妊娠中は運動量が減りがちですが、座りっぱなしでいると肛門周辺がうっ血しやすくなります。散歩や体操などの適度な運動をして、血行を促すことが大切です。わざわざ出かけなくても、こまめに立って家の中で動くだけでも十分効果的ですよ。

香辛料の過剰摂取は避ける

香辛料は妊娠に影響しないといわれていますが、過度に摂取すると肛門を刺激してしまいます。胃腸に負担をかける恐れもありますから、適量もしくは控えめを心がけましょう。

妊婦さんは痔になりやすい……妊娠中にできる対策方法はある?

食事管理や血行促進で妊娠中の痔を防ごう

痔は、スムーズな排便に導く食事管理、入浴や運動などによる血行促進によって防ぐことができます。便秘がち、体が冷えがちなどの不安要素があるなら、できるだけ早めに気をつけてみてくださいね。

なお、痔が悪化している場合はセルフケアでの改善に限界があります。妊娠中は多くの人が痔になるもの。恥ずかしがる必要はありませんから、早めに病院で治療をして妊娠中のストレスを減らしましょう。

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