野菜ジュースやコンビニのお惣菜などで「1日に必要な野菜の半分が摂れる」などと言った文字を見かけることがありますよね。この「1日に必要な量」というのは、何が基準となっているのかをご存知でしょうか?
今回は、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」についてご紹介します。

日本人の食事摂取基準とは

厚生労働省は、日本人が食事から摂取すべきエネルギーと栄養素の量について「日本人の食事摂取基準」を定め、公布しています。
これは、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防および重症化予防を目的として定められるものです。健康増進法に基づき厚生労働大臣が定めるもので、専門家を集めた策定検討会で検討を重ねた上、策定されます。
現在の最新版は2015年版で、2015年度から2019年度の5年間使用されることになっています。

指標の目的と種類

では、どういった指標で基準が定められているのかについて見ていきましょう。
エネルギー必要量の基準については、エネルギーの摂取量と消費量のバランスの維持を示す指標として「BMI( body mass index)」が採用されています。
栄養素の量の基準については、以下のように、3つの目的からなる5つの指標で構成されています。

【摂取不足の回避を目的とする指標】

・推定平均必要量(EAR)
ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団における必要量の平均値の推定値を示すもの。

・推奨量(RDA)
ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団に属するほとんどの人(97~98%)が充足している量。推定平均必要量を用いて算出される。

・目安量(AI)
ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量として定義されるもの。十分な科学的根拠が得られず「推定平均必要量」が算定できない場合に算定される。

【過剰摂取による健康障害の回避を目的とする指標】

・耐容上限量(UL)
健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限を与える量として定義されるもの。

【生活習慣病の予防を目的とする指標】

・目標量
生活習慣病のリスクが低くなると考えられる栄養状態が達成できる量を、当面の目標とすべき摂取量として定められるもの。

健康食品選びの参考に

「日本人の食事摂取基準」について、誰がどのような目的で、どのような指標を定めているのかをご紹介しました。
健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防および重症化予防を考えた栄養摂取のために、ぜひ役立てたい基準だと言えます。
基本的には、栄養士など専門家が利用することの多い基準ですが、誰でも参照することのできるものなので、健康食品やサプリメントなどを購入・使用する際に参考にしてみてはいかがでしょうか。

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