妊娠した喜びもつかの間、気がつけば「かゆみ」や「シミ」などの肌トラブルに悩まされる妊婦さんは少なくありません。 このような肌トラブルは妊娠初期に起こりやすいため、あまり心配する必要はないでしょう。 でも、なぜ妊娠をするとこのような肌の変化が起こるのでしょうか。 今回は、その理由とスキンケア方法を探っていきましょう。

妊娠すると肌変化が起こりやすい理由

妊娠すると、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロン(黄体ホルモン)やエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増加し始めるように。
これらは、子宮内膜の状態を整えたり母乳を出すための準備をするうえで欠かせないもの。 けれど、それにより女性ホルモンバランスに乱れが起こり、その結果さまざまな器官に影響を与え肌トラブルが起こるようになるのです。

妊娠時における肌変化の具体例

■シミが増える
女性ホルモンバランスが崩れると、シミの原因となるメラニン色素を生成するメラノサイトが刺激されやすくなり、シミができやすくなります。 シミだけでなく脇の下の黒ずみや、正中線と呼ばれるお腹の真ん中を縦に走る一本の線が目立ちやすくなったりします。

■かゆみが起きやすい
肌のバリア機能が働きにくくなり外的ダメージから十分に肌を守れなくなってしまいます。 それによりちょっとした刺激に肌が反応する敏感肌になったり、肌の水分を保てず乾燥がひどくなりかゆみに悩まされたりするようになるのです。

■ニキビや膿みができやすくなる
血流量が増え基礎代謝がアップした結果、汗をかきやすくなったり、皮脂の分泌が増えたりして、毛穴が詰まりやすい状態に。 それにより細菌が繁殖しやすくなりニキビや膿みに悩まされるようになってしまいます。

どのようなスキンケアをすれば良い?

妊娠すると肌が変わるって本当?

妊娠中は女性ホルモンバランスによりバリア機能が低下しがちなので、肌への刺激が少ないスキンケア用品で、シンプルながらも肌の保湿ケアに力を入れるようにしましょう。 乾燥が気になる場合は、化粧水を数回に分けてハンドプレスでじっくりと浸透させるようにします。
オイリー肌に傾いてしまった場合でも、クリームや乳液などの油分をカットするスキンケアはNGです。化粧水でしっかりとうるおいを与えたら、油分の少ない脂性肌タイプの乳液やクリームでフタをしましょう。
また、皮脂が気になるからとゴシゴシと洗顔するのもNGです。洗顔料をしっかりと泡立てて、その泡を転がすようにして汚れを吸着してください。

また、紫外線ダメージを受けやすいので日焼け止め対策も重要です。赤ちゃんや子供でも使えるような肌に優しい日焼け止めを塗るようにしたり、日傘をさしたりして紫外線カットを心がけてください。

肌状態が不安定な妊娠中は、スペシャルなスキンケアを取り入れ始めるのではなく、優しいスキンケアで肌の基礎を作ることが大切です。 普段のスキンケア用品が合わなくなったら、より低刺激なものに替えるなどして労わりながらケアしていきましょう。
ただし、かゆみなどの肌トラブルがヒドイ場合は、我慢せずに医師に相談するようにしてください。

コラム一覧へ