妊娠を望んでいる女性にとって、生理が来ることは残念ですよね。 また、生理のタイミングが普段と大きくずれたり、生理以外のときに不正出血をすると、「病気なのでは……?」と不安になるものです。 不正出血が起きてしまった場合には、原因をいち早く突き止めて、対処することが大切です。 そこで今回は、不正出血の原因と「着床出血」の見分け方について紹介します。
「不正出血」はなぜ起こる?
・排卵出血
生理が終わると新しい細胞が作られ排卵がはじまりますが、このときに卵子が卵巣の表面を傷つけ、毛細血管が切れたり子宮内膜が剥がれたりすると「排卵出血」が起こることがあります。 病気ではなく、ホルモンバランスの乱れが著しいと起こりやすくなるといわれています。 生理が終わり次の生理までのちょうど中間あたりで起こるので、驚いてしまいますが毎月出血することはありません。
もし毎月排卵出血が起きているようであれば、病院で受診しておきましょう。
・婦人科系疾患による出血
子宮筋腫や子宮内膜症などの疾患があると、不正出血が時々見られます。 がん検診など定期健診をしている方であれば早期発見ができますが、検診を受けていない方でおりものが薄いピンク色になった場合は、すぐに病院へ受診してください。 特に、子宮がんや子宮頸がんが原因の出血は、ある程度進行した状態で起こるものです。
排卵出血以外にたびたび出血が起こるようであれば、すぐに病院で検診を受けてください。
「着床出血」とは
着床とは排卵した卵子が精子と受精し、卵管を通って子宮内部に到達し、分厚くなった子宮膜に根をおろす段階のこと。着床を経てはじめて妊娠が成立します。 しかし、着床の際、子宮膜に受精卵が根をはるように入り込み、子宮内膜が少し溶けることで、少量の出血が起こります。この際に起こる出血が、「着床出血」です。
色は、茶色や薄いピンク、濃い赤などさまざまで、おりもののような状態をイメージすると分かりやすいでしょう。
「着床出血」と生理の見分け方

1. 基礎体温をつける
朝起きてすぐ、体を動かす前に婦人用体温計を使って体温を計りましょう。このとき体温計は、脇の下に入れるのではなく、舌の下に入れます。
女性には生理周期による基礎体温の変化があり、生理が始まってから排卵までの約2週間は、低温期といって普段よりも低体温が続きます。一方で、排卵が終わってから2週間ほどは体が妊娠をする準備のため高温期が続きます。この状態が10日以上持続していれば、卵巣が正常に働いているサイン。そして、高温期から低温期に移行することで生理がくるのです。
生理予定日以降も高温期が続いている場合は妊娠の可能性が高く、その際に起こる出血は着床出血だと考えられます。
2. 妊娠検査薬を使う
タイミングや血液の状態だけで見分けることは難しいため、妊娠検査薬を使ってみるのもひとつの方法です。
受精卵が着床すると「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」と呼ばれるものが生産され、体温を上げる作用のある「プロゲステロン」という女性ホルモンが分泌されます。
プロゲステロンは、妊娠8~12週頃まで増え続けます。 着床した時点では、hCGの濃度が検査薬に反応するほど濃くないため反応が出ません。そのため、月経予定日から1週間ほど過ぎてから検査をしてみてください。
生理と不正出血を見分けるために、自分の生理周期を把握しておく必要があります。 今回紹介した不正出血は、限られていますが見分け方の参考にしてみてください。 少しの変化を見逃さず、早めの対処を心がけていきましょう。