女性の体には月経があるため、もともと鉄分が不足しがちだといわれています。
しかし鉄分不足は貧血を引き起こすだけでなく、妊活中の女性がもっとも避けたい“妊娠力の低下”にもつながります。意外と知られていない妊活と鉄分の関係性を、効率よく摂取する方法とあわせてチェックしてみましょう。
妊活と鉄分の深い関係性
鉄分には酸素を体中に運ぶとともに、子宮内の粘膜を作る働きがあります。つまり鉄分が不足すると、血行不良や子宮内膜が薄くなる影響で、受精卵が着床しにくくなってしまうのです。
また、鉄分は胎児の成長にも欠かせない栄養素です。妊娠しやすい子宮内膜を育てるために、そして赤ちゃんの成長を促すために、妊活中からしっかり鉄分を補給しておきましょう。
妊活中の鉄分の摂取方法
「ヘム鉄」を意識的に摂る
鉄分には、植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」と、動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」の2種類があります。吸収率は非ヘム鉄が2~5%ほど、ヘム鉄が10~30%ほどといわれていますから、鉄分を効率よく補給するためには、ヘム鉄を多く含む動物性食品を意識的に食べることが大切です。 肉だけでなく、魚もバランス良く食べるようにしましょう。
ヘム鉄を多く含む動物性食品
レバー、牛肉、カツオ、マグロ、あさりなど。
ビタミンCやクエン酸と一緒に摂る
非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると、吸収率がアップします。非ヘム鉄が多く含まれる、ほうれん草や海藻類は、ビタミンCの多い野菜や果物と一緒に食べるようにしましょう。 また、クエン酸も非ヘム鉄の吸収を高めてくれます。お酢の入ったドレッシングや梅干しとの組み合わせもおすすめです。
タンニンと一緒に摂らない
コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるタンニンには、非ヘム鉄の吸収を阻害する作用があります。タンニンを摂らないように気をつけるか、タンニンの影響を受けにくいヘム鉄を摂るようにしましょう。
サプリメントを利用する
鉄分不足の解消には、サプリメントの利用も効果的です。特にヘム鉄のサプリメントは、動物性食品をあまり摂らない方におすすめです。 しかし鉄分を過剰摂取すると、かえって健康に害を及ぼします。必ず1日の摂取量を守るようにしましょう。

鉄分が不足すると、妊活に悪影響を与えると同時に、手足の冷えや不眠などの原因にもなります。妊活をスムーズに進めるためでなく、心身の健康を守るためにも、意識的な鉄分補給を心がけましょう。