LIVING ROOM

日々の暮らしを支えるメディア

2020.02.29

イライラの原因がカルシウム不足って本当?カルシウムの役割について

ストレスイメージ

イライラしている人に対して「カルシウム不足のせいだ」と言うことは多いものですよね。しかし近年では「カルシウムが足りないとイライラする」という説は事実ではないといわれています。
では、なぜカルシウム不足とストレスが結びつけられるようになったのでしょうか? 今回は、イライラとカルシウムの関係性や、カルシウムの役割について探っていきましょう。

「イライラの原因はカルシウム不足」といわれる理由は?

そもそも「カルシウム不足がストレスの原因」とされるようになったのは1970年代のこと。当時の雑誌に「ストレスの原因はカルシウム不足」という記事が載ったことが、この説が広まった原因ともいわれます。
70年代といえば高度経済成長ののちにオイルショックなどが起きた時期で、ストレスを抱えている人はかなり多かったはず。さらにこの時期には食の欧米かが進んでいたこともあり、カルシウム不足の問題も深刻化していたため、こういった説が蔓延したと考えられます。

「イライラの原因はカルシウム不足」はウソ?

昔から「イライラするのはカルシウム不足」と言われてきましたが、近年ではこの説が否定されています。 「カルシウムが不足するとイライラする」という説は、神経伝達の調整機能をもつカルシウムが不足することによって精神的に不安定になるのではという考えによるものかもしれませんね。

カルシウムは神経伝達の補助をする栄養素

そもそもカルシウムは主に骨や歯に存在している栄養素です。体内のカルシウムの約99%が骨や歯の成分で、血液中や細胞に存在するカルシウムは全体の約1%程度です。血中のカルシウムには、筋肉や神経伝達の調整をしたり、血液凝固を促進したりする働きがあります。
血中のカルシウムが不足したときには骨のカルシウムが血中に溶け出し、バランスを調整する仕組みになっています。体に備わったこの働きによって、血液中のカルシウム濃度は薄まったりせず一定に保たれているのです。

カルシウム不足が体に及ぼす影響とは?

カルシウム不足はイライラの直接的な原因にはなりません。とはいえ、カルシウムが慢性的に不足している人は骨や歯に深刻な影響が起きることがあるので注意が必要です。骨粗しょう症のほか、手足のしびれやけいれん、心拍リズムの異常など防ぐためにも、意識的にカルシウムを摂取しましょう。
カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚や野菜などに多く含まれています。魚類やきのこに含まれるビタミンDはカルシウムの吸収率を高めてくれるので、ぜひ一緒に摂取したいですね。

カルシウムイメージ

カルシウム不足はイライラやストレスの直接的な原因にはならないとされています。とはいえ、カルシウムが不足すると体に深刻な症状が出ることがあるので気をつけたいですね。
普段からカルシウムを意識的に摂取すれば、健康的な状態をキープできます。食事によるカルシウム摂取で足りない分はサプリメントで補うなど工夫してみましょう。